荒川弘『銀の匙』と石森(石ノ森)『サイボーグ009』の関係をつらつら想う

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前記事につづいてなぜかサブカル的なお話。

浦沢直樹の20(21)世紀少年が、石森(石ノ森)のサイボーグ009のキャラ設定を踏襲していることはもはや周知の事実です。

ここでは、さらに、荒川弘『銀の匙』が009のそれを踏襲している、という主張?をしておきたいと思います(誰にだ!?)。連載が最近断続的なので、新刊(第十四巻)発行がいつになるかわかりません(追記:この記事を書いて数カ月後に発刊されました。)。紅天女ほどの間が開いてしまった場合、果たしてわたしは生きているでしょうか。

まずは八軒君。主人公だけあって数字=名字=属性が一番わかりやすいですね。地味で生真面目で挫折感があって勉強ができて仲間思い、自己犠牲的属性をもつ008ピュンマです。浦沢だとヨシツネにあたります。ちょっと思い込みが激しいのも似てます。

主役の女の子の名は御影さん。「み」かげで「3」ですね。フランソワーズ・アルヌール。浦沢だとユキジ。本来紅一点キャラですが、銀の匙は男女共学ドラマなので紅一点というわけでありません。

さらなる重要人物は御影さんの幼馴染の駒場君。「こ」まば君で005、ジェロニモです。浦沢だとオッチョですね。この三人の属性は明らかです。大きくて力持ちで孤高。さらにジェロニモは「土地を追われた」ネイティブ・アメリカン。駒場君の場合は実家の牧場が立ち行かなくなり土地を手放さざるえない家庭環境で、中退を余儀なくされます。ところでピュンマとジェロニモは同人誌的にはなにかありそうな感じですね。

その他にも好戦的でクールな西(2)川君とか、ちょっと偏執狂的な吉(4)野さんとか数字=名字=属性の類推が出来ます。数字つながりはないけれど属性的に心惹かれるキャラとしては変身しちゃう稲田さん(強引に007(いだ)と類推することは可能ですが、、)とか(浦沢だとケロヨンにあたります)、大食いの別府君(006)(浦沢だとマルオです)などがいいですね。

注目すべきは主人公の009島村ジョー役で、浦沢だと浦沢本人を擬したヒーローですけど、銀の匙の場合はパロディーキャラの南九(9)条(ジョー)さんです1)でも、カッコイイんですよこの人。駒場君とかにもズバズバ言うし。。つまりこの漫画にはヒーローはいません。

そのかわり次のナンバー0010が重要な意味をもちます。常磐(「と」きわ)君です(なお石森009では0010は+とーの悲劇の双子サイボーグです。この0010の双子は銀の匙の世界では生まれ変わっていい子に育ってます。そう駒場君の妹さんたちですね。)。

009メンバーからは外れたナンバーキャラです。過度に鶏頭であるという点を除けばふつーの高校生で、作者自身、彼の立ち位置が好きだとどこかで発言していたらしいですが頷けます。なお余談ですが、荒川さんの絵は石森のタッチと共通するところがあります。彼の坊主頭などは、坊主を描かせたら天下一品の石森章太郎そのものだと思うのであります。

それでは001はだれでしょうか。浦沢だと石森の設定のままで、他のメンバーより親子ほど若い超能力属性をもつカンナです。わかりやすい。それに対して荒川さんのひねり方は巧妙です。他のメンバーより親子ほど<年上>の人、つまりは校長先生だとわたしは思っています。サイロの高い積草(牧草ロール?)の上に居て降りてこられないというずっこけシーンがあって、八軒君が「どうやってそこに登ったんだよ」と言います。もちろん、校長先生はテレポーテーションでそこに移動したんですよ八軒君。じゃあなぜ降りられないのかというのはさておき。。

いずれにせよ。校長先生がギルモア博士ではないところが、この革新的かつ伝統的な学園ドラマの核です。中勘助の銀の匙と共鳴する部分でもあります。

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1. でも、カッコイイんですよこの人。駒場君とかにもズバズバ言うし。

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